いつ行く?服装・言葉・手土産・作法を
シーン別に徹底解説
弔問(ちょうもん)とは、故人の遺族のもとを訪問してお悔やみの言葉を伝え、故人を偲ぶことをいいます。葬儀への参列とは異なり、葬儀後に遺族の自宅などを個別に訪問する行為を指すことが多いです。「弔問する」「弔問に伺う」という言い方が一般的です。
「葬儀参列」は通夜・告別式など式場に出向くことで、「弔問」は遺族の自宅やご遺体が安置された場所を訪問することです。葬儀参列できなかった場合に後日自宅を訪問するのが「後日弔問」です。家族葬では参列自体を断られることが多く、後日弔問が主な弔意の伝え方になります。
①葬儀に参列できなかった場合の後日弔問 ②家族葬・密葬で参列を辞退された場合の後日弔問 ③近所の方・親しい知人が亡くなり遺族を個別に訪問する場合 ④遠方から帰省した際に改めて故人宅を訪問する場合
自宅への弔問は、葬儀後1〜2週間から四十九日(忌明け)までの間が一般的に適切です。葬儀直後(通夜・告別式前後の3日間程度)は遺族の対応が最も忙しく、疲弊しているため避けるのが基本マナーです。急ぐ場合でも葬儀後3〜5日以上空けるのが望ましいです。
家族葬・密葬で参列を辞退された場合の後日弔問は、四十九日が明けてから(忌明け後)が望ましいです。忌明けまでは遺族の心身の整理がつかないことも多く、訪問によって心理的負担をかける可能性があります。ただし遺族から「来てほしい」と伝えられた場合はその意向に従います。
弔問は必ず事前に電話またはメールで連絡を取り、遺族の了解を得てから日時を決めましょう。突然の訪問は遺族への大きな負担になります。「ご迷惑でなければ、ご挨拶にお伺いしたい」と控えめに伝え、断られた場合は無理に押し付けないことが大切です。
訪問の時間帯は昼間(午前10時〜午後5時)が基本です。夕方以降の訪問は遺族の夕食・就寝の妨げになる場合があります。事前に打ち合わせた時間を厳守し、遅刻しないようにしましょう。
弔問の服装は喪服(黒の礼服)が正式です。男性は黒のスーツ・白シャツ・黒のネクタイ・黒の革靴。女性は黒のワンピースまたはスーツ・黒ストッキング・黒の低ヒールパンプスが基本です。
葬儀から日が経ってからの弔問(四十九日後など)は、喪服でなく地味な平服(ダークカラー)でも失礼にはなりません。男性は黒や濃紺のスーツ、女性は黒・濃紺・グレーのワンピースやスカートが適切です。
・白・赤・黄色など明るい色の服装 ・カジュアルすぎる服(ジーンズ・Tシャツ・スニーカー) ・動物の毛皮・アニマル柄(殺生を連想させる) ・光沢の強い素材・派手なアクセサリー ・香りの強い香水
①香典(すでに葬儀で渡していない場合・香典辞退の場合は不要) ②数珠(宗派を問わない略式数珠で可) ③黒またはグレーのハンカチ ④手土産(任意)
弔問の手土産には「消えもの」が適しています。日持ちのする菓子類(クッキー・せんべいなど)、お線香・ろうそくのセット(価格目安:1,000〜3,000円)、白い花(白菊・白カーネーションなど)が一般的です。お菓子は個包装で分けやすいものを選ぶとよいでしょう。
・生もの・日持ちしない食品(遺族が消費しきれない可能性) ・赤い花・派手な包装 ・4(死)・9(苦)を連想させる数量は避ける ・あまりに高額な品物(遺族にお返しの気を遣わせる)
香典は玄関先でのご挨拶の際に袱紗(ふくさ)から取り出して両手でお渡しします。葬儀で既に香典を渡している場合は持参不要です。「御花料」「御線香料」として後日渡す場合は、「お返しはご遠慮ください」と一言添えると遺族の負担が軽減されます。
玄関先でお悔やみの言葉を述べます。「このたびはご愁傷さまでした。心よりお悔やみ申し上げます」が最も標準的な表現です。長い言葉は不要で、シンプルに短く伝えるのがマナーです。手土産・香典はこのタイミングで渡します。
案内されたら仏間や祭壇に向かいます。案内されない場合は無理に上がり込まず、玄関先だけのご挨拶で退辞しても問題ありません。特に家族葬後などは遺族が「玄関先でのご挨拶のみで」というケースもあります。
祭壇に案内された場合は焼香または線香をあげます。焼香は利き手の親指・人差し指・中指でつまんで額の高さに持ち上げ(押しいただき)、香炉にくべます。回数は宗派によって異なりますが、1回(または周囲に合わせる)が無難です。線香の火は手で扇いで消し、息で吹き消さないのが作法です。
焼香・線香の後は合掌して故人に礼拝します。遺影または御霊前に向かって静かに手を合わせ、黙礼します。
遺族への挨拶は短く、「どうぞお体に気をつけてください」などの言葉を添えて退辞します。滞在時間は15〜30分が目安です。遺族から話を促された場合を除き、こちらから長々と話し込まないよう配慮しましょう。
「このたびはご愁傷さまでした。心よりお悔やみ申し上げます」 「突然のことで、さぞかしご心痛のことと存じます」 「○○様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます」 「何もお力になれず申し訳ございません。どうかお気持ちを落ち着けてください」
「重ね重ね」「くれぐれも」「たびたび」「ますます」「いよいよ」などの重ね言葉(不幸が重なることを連想)は使ってはいけません。また「浮かばれない」「迷う」「死ぬ」などの直接的な死の表現も避けましょう。「死」→「ご逝去」「ご往生」、「死んだ」→「お亡くなりになった」と言い換えます。
「長生きされた方だから」「お楽になられましたね」「いつまでも悲しんでも仕方がない」などの言葉は、遺族を傷つける場合があります。弔問でのお悔やみの言葉はシンプルに短く、気持ちを込めて伝えることが大切です。
「弔問辞退」と言われた場合は、遺族の意向を尊重してください。代わりにお悔やみの手紙・弔電・メールで気持ちを伝えましょう。「ご辞退を承りました。どうかご無理なさらず、ご自愛ください」と返答するのが適切です。
①お悔やみの手紙・弔電(葬儀前〜後に送る) ②現金書留(「御花料」「御線香料」として、香典より負担感が少ない) ③お悔やみメール・電話(時期・タイミングに配慮) ④供花の手配(手配前に確認) どの場合も、お返し不要の旨を伝えると遺族の負担を軽減できます。
家族葬後に後日弔問を希望する場合は、忌明け(四十九日)後に「ご迷惑でなければお伺いしたい」と事前連絡を入れましょう。了承を得てから日時を決め、15〜30分程度のお参りと短いご挨拶が適切です。
□ 事前に遺族に連絡・了解を得ているか □ 日時は遺族の都合に合わせているか □ 服装は喪服または地味な平服か(白・明るい色でないか) □ 数珠は持ったか □ 香典袋に薄墨で記名し、袱紗に入れたか □ 手土産・お供えは適切か(消えもの・過度に高額でないか) □ 携帯電話はマナーモードに設定したか □ 強い香水はつけていないか
□ お悔やみの言葉は短く、忌み言葉・重ね言葉を使わない □ 線香の火は手で扇いで消し、息で吹き消さない □ 滞在時間は15〜30分を目安にする □ 故人の死因・経緯を根掘り葉掘り聞かない □ 遺族の様子を見て、長話にならないよう退辞する