白木位牌・本位牌・繰り出し位牌の違い、戒名の書き方、サイズ・価格相場、開眼供養のマナーまで徹底解説。四十九日法要前に確認しておきたい位牌の基礎知識。
葬儀から四十九日法要まで使う仮の位牌です。加工していない白木(素木)で作られており、「野位牌」とも呼ばれます。戒名・俗名・没年月日が書かれており、四十九日を過ぎたら本位牌に移行します。菩提寺や葬儀社が用意することが多く、費用は葬儀一式に含まれている場合がほとんどです。
四十九日以降、仏壇に永久に安置する正式な位牌です。塗り位牌(漆塗り)・唐木位牌(黒檀・紫檀)・モダン位牌などの種類があります。四十九日法要の前(遅くとも三十五日頃まで)に仏具店・葬儀社に注文します。価格の目安は1万〜10万円程度(素材・デザインによる)。
複数の戒名札を一つの位牌に収納できるタイプです。「回出位牌」とも書きます。先祖代々の位牌が5〜8柱以上になった場合、複数の個別位牌をまとめるために使います。33回忌・50回忌を機に繰り出し位牌にまとめるケースが多いです。内側の板には戒名・俗名・没年月日を記入します。
塗り位牌:黒漆塗りで金粉・蒔絵の装飾が入るのが特徴。最もポピュラーなタイプ。/唐木位牌:黒檀・紫檀などの銘木を使用。重厚感があり長持ちする。/モダン位牌:白木・クリスタル・石材など現代的な素材を使用。洋風のインテリアにも合わせやすい。/塗分位牌:塗り位牌と唐木位牌の中間。上部が唐木風、下部が塗り仕上げのもの。
位牌の表面には①戒名(法号・法名)②没年月日を書きます。戒名は最上部に、没年月日は下部に配置するのが一般的です。没年月日は「令和〇年〇月〇日」(または和暦)で記載します。浄土真宗では「法名」と呼び、位牌は使わず過去帳を用いる場合もあります。
位牌の裏面には①俗名(生前の名前)②享年(亡くなった年齢)を書きます。俗名は「俗名 〇〇〇〇」と記載します。享年の書き方は「享年〇〇歳」が一般的ですが、「行年〇〇歳」と書く地域・宗派もあります。享年は数え年、行年は満年齢で記載することが多いですが、近年は満年齢で統一するケースも増えています。
仏教各宗派の戒名には位(くらい)があります。信士(しんじ)・信女(しんにょ):一般的な戒名の位/居士(こじ)・大姉(だいし):少し上位の戒名/院居士(いんこじ)・院大姉(いんだいし):高位の戒名(費用が高め)。戒名の文字数は宗派によって異なり、禅宗系(曹洞宗・臨済宗)は4文字、天台宗・真言宗は6文字以上が一般的です。
神道では「霊璽(れいじ)」という位牌に相当するものを使い、戒名ではなく「諡号(おくりな)」を記します。無宗教の場合や「戒名をつけない」選択をした場合は、俗名のみの位牌(俗名位牌)を作ることができます。この場合、名前の下に「之霊位(のれいい)」「之位(のくらい)」を書き添えます。
位牌の「寸」は台座(須弥壇)を除いた板(札板)部分の高さを指します。3寸=約9cm、4寸=約12cm、5寸=約15cm。ただし、台座込みの総高さは3寸の位牌でも20cm前後になります。仏具店での表示は総高さで記載されている場合もあるため、購入前に確認しましょう。
小型仏壇(幅30〜45cm):3〜3.5寸(総高さ約20〜23cm)が目安。/中型仏壇(幅45〜60cm):4〜4.5寸(総高さ約26〜30cm)が目安。/大型仏壇(幅60cm以上):5〜5.5寸(総高さ約32〜37cm)が目安。先祖の位牌がすでにある場合は、それより同じか小さいサイズに揃えるのがマナーです。
伝統的な和風仏壇には塗り位牌・唐木位牌が合います。モダン仏壇・家具調仏壇にはモダン位牌(クリスタル・石材・天然木)が調和します。位牌の文字(戒名・俗名)は「金泥書き」または「機械彫り」で入れるのが一般的。機械彫りは耐久性が高く、文字が薄れにくい利点があります。
開眼供養(かいげんくよう)は「魂入れ」「お性根入れ(おしょうねいれ)」とも呼ばれ、本位牌・仏壇・墓石に「魂」を込める儀式です。新たに本位牌を作った際に僧侶に読経していただき、位牌を正式なものとします。四十九日法要と同時に行うのが一般的です。
開眼供養のお布施の目安は1万〜3万円程度です。四十九日法要と同時に行う場合は、法要のお布施に上乗せする形が多く、合計で3万〜5万円程度になることが多いです。お布施は「御布施」と表書きした白い封筒(または奉書紙)に入れて渡します。「お礼」「御礼」でも可。
四十九日を過ぎ、本位牌に開眼供養を行ったあとは、白木位牌は菩提寺(お寺)にお焚き上げを依頼するのが一般的です。自分で処分する場合は、塩で清めてから白い紙(和紙・半紙)に包み、燃えるごみとして処分します。地域によって異なるため、菩提寺に相談するのが最も確実です。
本位牌は四十九日法要に間に合うよう、葬儀後できるだけ早めに注文しましょう。目安は葬儀後1〜2週間以内(遅くとも三十五日頃まで)。仕上がりまでに2〜3週間かかることが多いため、余裕を持って依頼することが大切です。注文は仏具店・葬儀社・オンライン仏具店などで受け付けています。
位牌の注文には①戒名(ふりがな付き)②没年月日③俗名④享年⑤宗派⑥位牌の種類・サイズ・素材の希望が必要です。白木位牌を仏具店に持参すると、そこから転記してもらえるため、白木位牌をそのまま持参するのが確実です。戒名の文字数・漢字は正確に確認しましょう。
シンプルな塗り位牌:1万〜3万円。蒔絵入り塗り位牌:3万〜8万円。唐木位牌(黒檀・紫檀):3万〜10万円以上。モダン位牌(クリスタル等):5,000円〜3万円。繰り出し位牌:1万〜5万円。これに文字入れ(彫り)費用が別途かかる場合があります。
浄土真宗では「位牌」の代わりに「過去帳(かこちょう)」を使うのが正式です。戒名ではなく「法名(ほうみょう)」と呼びます。ただし、地域や家の習慣によって位牌を使うケースもあります。不明な場合は菩提寺にご確認ください。